【アサギマダラの飛来が始まる:長野県北アルプス山麓大町市】2015.9.13


長野県大町市平簗場にあるのっぺ山荘のフジバカマの畑に9月11日から、アサギマダラの飛来が始まりました。例年だと15日頃からアサギマダラが来始めるのに、今年は4日ほど早く、11日に一斉に飛来を始めたとのこと。

のっぺ山荘の奥さんのお話では「ものすごい、わんわんと飛んでいる。家の前の庭だけで150から160頭はいるだろう」と、電話の向こうの声が弾んでいるものですから、早速12、13日に伺って来ました。

フジバカマで吸蜜するアサギマダラ1:長野県北アルプス山麓大町市のっぺ山荘 2015.9.13

12日は久しぶりの青空で、北アルプスも何日振りかに姿を現したものですから、午前中は北アルプスの写真撮影。午後になってのっぺ山荘に行くと、すでにアサギアダラの渡りを調査する2人の仲間たちが来ており、マーキングをしていました。

私も2010年くらいまでマーキングをしていましたが、近年は山の中での食草のイケマを探したり、その葉に卵がないだろうかなどと、マーキングとは別の方法で、生体の調査や写真撮影に切り替えています。

今日の13日も午後伺い、愛好家の方との話や写真撮影で盛り上がりました。
小雨のために気温が下がり、一旦山の中に引き上げたアサギマダラでしたが、その後いつの間にか太陽の陽が差し込むと、気温も上がりますので、暖かな陽を浴びたフジバカマに向かって、ぽつりぽつりと山の中から舞ってきます。

のっぺ山荘のご主人、奥さんなどと「待ってました」とばかりにフジバカマの畑に出ると、どの個体もマークのないものばかりです。

先ほどまで仲間2人がマーキングしていたので、マークをつけた個体が来るとばかり思っていましたが、マーキングした個体はそのまま山の木々の間にいるのでしょうか、降りてきません。ちょっと不思議な気持ちになりました。

多少のスレはあっても、まだまだ羽の色が綺麗です。
また、なんとか青空を入れて撮りたいと思っていた念願が叶いました。

アサギマダラは、時々スズメバチに追いかけられて逃げていましたが、フジバカマで美味しそうに吸蜜していますね。
フジバカマで吸蜜するアサギマダラ2:長野県北アルプス山麓大町市のっぺ山荘 2015.9.13

アサギマダラは風のことも気にしているみたいです。
一段上の畑とのっぺ山荘の間にフジバカマの畑があり、フジバカマの畑の東側には南北に土手が伸びています。北側は若干、家との距離もあり、風が吹き抜ける通路になっているのでしょうか、少し風が冷たく感じます。白馬村から写真撮影に来ていた、チョウ愛好家のOさんは、それをいち早く、敏感に感じ取っています。

北側で舞うアサギマダラは少なかったのですが、南側は土手と家に挟まれてるためなのか、少し風当たりが弱く、暖かな場所になっており、数頭が集まっています。Oさんに言われて、私も南側に回り込みます。暖かさが違うのが分かります。

最初半袖を着ていて小雨のために長袖の上着を着た私ですが、アサギマダラはそのような気温の変化に、更に敏感なんだと教えられました。

Oさんはアサギマダラが止まる花の位置まで観察し、「風のために上には止まららない。下の方で吸蜜する」と、教えてくれました。

まったくその通りで、多少の風があったためか、アサギマダラたちはフジバカマの下の方の枝を選んで止まり、吸蜜しています。風が吹くと花も揺れますので、吸蜜するのも大変なのでしょうね。
こんなにも風を敏感に感じ取る生き物なんだと、改めてアサギマダラを見直した私でした。

フジバカマで吸蜜するアサギマダラ3:長野県北アルプス山麓大町市のっぺ山荘 2015.9.13

下の枝を選んで吸蜜しているアサギマダラです。今までこういう姿ばかりを撮っていた私なんです。風を意識していませんでしたが、今後は他のチョウの撮影の時にも風を意識して観察する必要があるなと、今日はアサギアダラに教わりました。

12日はこんなアサギマダラの姿を撮っています。


翅を閉じたり開いたりして吸蜜していましたが、なかなか翅を開きっぱなしにはしてくれませんでした。この時には意識していませんでしたが、「風」があったのかも知れません。


ところで、古川さんのお宅は、かつて「のっぺ茶屋」を営んでいたことから、アサギマダラ愛好家の皆さんからは「のっぺ山荘」の愛称で親しまれています。

そのため、そこでのマークは「のっぺ」を意味する「NP」で表記されています。今ではNPマークと言えば、マーキングする皆さんに「長野県の、のっぺ山荘から来た」と、すぐにわかるくらいに有名になっています。

今年も長野県内のMさんと、滋賀県から来られたSさんのお二人がすでに数百匹にマーキングしていますので、大町市から行ったアサギマダラたちが、どこで再捕獲されるのか、非常に興味深いですね。

すでに12日には、Mさんが富士山でマーキングした個体を、Sさんがのっぺ山荘で再捕獲しています。まだまだ今シーズンのマーキングが始まったばかりですので、のっぺ山荘でマークの付いた個体を撮影したり、再捕獲されたり、またマーキングされた皆さんは、専用の用紙をのっぺ山荘に渡してお願いしてありますので、そこにマークした記号、マーキングした日などを記入し、古川さんにお渡しください。

集計は私が行い、アサギネットとアサギMLに報告します。その報告は同時にアサギマダラを調べる会と渡りチョウを調べる会にも行きます。
もし再捕獲されれば、私からご連絡もできるかも知れません。



《追加情報》

2015.9.20
大町市平簗場にあるのっぺ山荘のフジバカマの畑で9月19日、福島県裏磐梯からのデコマークの再捕獲が3件ありました。
8月16、20、24日にマーキングされた個体で、SRS2頭、ちえこ1頭です。Masuzawaさんの追記で、南下の旅を続けています。


《参照記事》
2007−2010年のアサギマダラの長野県内の記録は、ついついペコのついついあちこちニュースからご覧ください。
【アサギマダラが飛んだ】


アサギマダラ Parantica sita
タテハチョウ科


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