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【スジグロシロチョウ今年の初見・ヤマトスジグロシロチョウとの区別点は? 長野県北アルプス山麓松川村:ついつい企画】2016.3.11


晴れが続いて春が近づいたかと思えば、また雪が降ると言うような天気が続いている長野県北アルプス山麓ですが、3月8日に家の庭で、スジグロシロチョウが舞いだしました。


松川村では、今年の初見となりました。
車の温度計では8日は外気温が23度にもなっていたそうです。一気に暖かくなったものですね。でも昨夜は、道路にはなかったのですが、屋根などに雪が10センチも降りました。

3月ともなれば、随分と暖かくなるのですが、そんな8日の午後2時ちょっと前に、我が家の庭で舞いだしたのです。
慌ててカメラを持ちに家の中に一旦入り、その後ゆっくり確認しようと近づいたところで、数枚で逃げられてしまいました。

このスジグロシロチョウ、日本産蝶類標準図鑑(学研)によりますと、「越冬態は蛹」とあります。と言うことは、我が家の近くで羽化したということになりますね。でも、3月初旬ですよ。蛹はどこにいたのでしょうね。かなり気になります。

そして左上の翅が傷ついていますね。当日に羽化したとは思えません。数日前に羽化し、昼間は暖かかくても、夜の寒い日を木の隙間などに入って寒さを凌いでいたのでしょね。

この数日の間、我が家の庭では、黄色い花から花が徐々に咲きだしました。
2月末頃からスイセンのつぼみが2つだけ膨らみ始め、7日に咲いた写真を撮っています。クロッカスも7日から咲きだしました。
下の写真は8日に撮ったものです。


2輪ですが、フクジュソウも咲き始めましたし、クロッカスの近くではナズナの小さな白い花も咲く始めました。
きっと、そんな花で吸蜜していたところを、私に発見されたのでしょうね。

高瀬川を挟んで、東側の池田町渋田見でも8日に、黒っぽチョウが舞っていたそうで、近くのおばあさんは「カラスアゲハはではないか」などと言っていたと聞きました。

恐らくカラスアゲハではないでしょう。離れたところでチョウを見た夫は「翅に点が4つあった」と言うのです。きっとクジャクチョウなどの越冬チョウでしょうね。夫の友人は持っていたカメラで撮ったと聞きしましたが、ちゃんと撮れているといいですね。

ところで、スジグロシロチョウはヤマトスジグロシロチョウと似ているので、私には両種の区別がつかないことが多いです。

でも、図鑑をよく読みますと、「スジグロシロチョウ春型の後翅裏面は、やや褐色がかった黄色」とあります。
一方「ヤマトスジグロシロチョウは淡色型は淡黄色〜黄色が基調で、前種のように褐色味を帯びない」とあるのです。
皆さんは上の写真のチョウが、褐色味を帯びいて見えますか?それとも淡い黄色に見えますか?

もう一つの外見上の区別は「後翅裏面基部にある肩脈の状態」だそうです。「スジグロシロチョウでは、より長く外方へのび、先端は鋭くとがり、より明瞭」とのことです。

この「肩脈」と言う表現が非常に理解しにくかったのですが、クモマツマキチョウの時期に山でお会いしたある作家さんが、絵を描いて教えてくださいました。ただその絵が、今は見つかりません。出てきましたら、改めてお知らせいたしましょう。この画像では肩脈が非常に見にくいので。ちなみに、肩脈が一番わかりやすいのはミヤマシロチョウの画像でした。

スジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウとの、その他の区別点として、♂のにおいにあるそうです。
こればかりは捕まえて鼻を近づけないとわかりませんが、スジグロシロチョウの♂は、「柑橘系に似た強いにおい」がするのだそうです。ヤマトスジグロシロチョウの方が「よりおだやかな香り」と、あります。

ユズと温州みかんの香りくらいなら区別がつきますが、「よりおだやかな香り」と言うのは、やはり嗅ぎ比べてみない限りは分からないですよね。

しかも、スジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウは混生しているということですので、こうなったら仕方ないので、やっぱネットで捕獲して匂いを嗅ぐしかないかも知れませんね。

両種の区別は非常に分かりにくいですので、私の場合はどちらも「スジグロシロチョウ」としています。「素人はそれでいいのだ」と、勝手な判断です。

ただ北海道の石狩平野よりも東側に分布する「エゾスジグロシロチョウ」と言う、また別の種類がおり(これがまたややこしいのですが、2001年に、エゾスジグロシロチョウPieris.dulcineaヤマトスジグロシロチョウPieris nesisが分けられたそうです)、北海道の石狩平野の境界線あたりはエゾスジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウの混生地となっているとのことで、そこでは3種がいそうです。もっと区別がつきにくいですよね。

そんな中、北海道の石狩平野よりも西側で、スジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウのたった一つの外見上の区別点があるようです。それは前翅裏面中室の色です。

日本産蝶類標準図鑑(白水隆著、学習研究社発行)によると「スジグロシロチョウは全面白色とならない」とか、「全面白色であれば」ヤマトスジグロシロチョウと「断定して間違いない」とのことでした。エゾスジイグロシロチョウも普通は白色だそうです。稀に例外もあるようですが。

北アルプス山麓では、前翅裏面中室の全面白色だけを探し出せば、それは「ヤマトスジグロシロチョウ」と言うことになりそうです。

ただ、「スジグロシロチョウ」だけを探し出す方法は、野性的に嗅ぎ回るしかないのかも知れませんね。興味というのか好奇心のある方は、ぜひやってみてください。


【スジグロシロチョウ】
Pieris melete
シロチョウ科、モンシロチョウ族、モンシロチョウ属

ヤマトスジグロシロチョウ
Pieris nesis
シロチョウ科、モンシロチョウ族、モンシロチョウ属

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