【リキュール YUZU】2018.2.5


ユズを使ったユズリキュールには、非常に深い思い出があります。

【リキュール YUZU】2018.2.5

高校1年生の時に知り合った一人の男の子が、やがてシェフになり、作って送ってくれたのがユズチェロだったのです。
イタリアにはレモンを使ったレモンチェロというお酒があるそうですが、そのレモンの代わりにユズを使ったのがユズチェロです。

シェフの送ってくださったユズチェロが非常に美味しく、その時には友達と分けて飲んだのですが、その味が忘れられなくて、それを自分でも作ってみたくなり、昨年の暮れから挑戦しています。

普段お酒をほとんど飲まない私ですので、当然家にはチェロはありません。
そんな私でも、毎年梅やアンズなどの果実でリキュールやジャムを作っていますので、気軽に入手できる35度のホワイトリカーを使い、「リキュール YUZU」に初挑戦しました。

ユズは徳島県出身の友だちが、毎年実家の妹さんから送っていただいていますので、有難いことにそれを分けていただくことができます。無農薬、無肥料の立派なユズですので、簡単に洗うだけで使えます。

その他にユズのエキスだけを絞り出した「ユズ酢」も毎年分けていただいており、それも使えます。
「ユズは皮が命だ」とシェフに教わっていましたが、どうやってあの上品な香りをリキュールで表現できるのか、まったく分かりません。

そりゃシェフに聞けば簡単に教えていただけるのでしょうが、やっぱ自己流でもいいので、自分なりに挑戦してみたいのが私です。

そこで、頂いたユズを簡単に水洗いし、皮だけを使って作ろうと、皮をむく作業から始めました。
何度も挑戦できるように、分量も測り、簡単なメモも取ります。

ただ、今までもユズを使ってマーマレードなどを作ったことのある私は、ユズの皮に「苦味」があるのを知っていました。さてどの部分が苦いんだろう。表面の皮なのか、白いスポンジ部分なのか、さらに奥の果肉を包んでいる薄い幕なのか、そこら辺のところはまったく分かりません。白い部分を完全には削ぎきれないので、多少残しながら、表面の黄色い皮を削ぎ落としました。

ユズの皮、氷砂糖を広口瓶に入れ、ホワイトリカーを注ぎ入れます。これで上手くいくだろうかと、かなり不安な気持ちで時間が過ぎていくのを見守ります。
「香り」だけを殺さないようにと、神経を使います。

1時間もしないうちに、ちょっぴり色づいたリキュールから、いい香りがしてきます。3時間置き、ちょっと味見してみます。なかなか良い味です。気になり、ついついかき混ぜてしまいます。ほぼ4時間置き、また少量試飲してみます。あの時の懐かしいユズチェロの味と香りがしました。このままで十分美味しい。そう思うのは私だけで、夫は「少し渋い」と言うのです。やはり渋皮から渋みが溶けだしたのでしょう。

こんなに簡単にできるとも思えないので、3、4日そのままにしてみることにしました。

ところが、その3、4日が良かったのか悪かったのか、お酒の色がまっ黄っ黄になり、苦味が強過ぎて、とても飲めたものではありません。
色はちょうど、黄色くて透明なアクリル板そっくりの色です。飲み物の色にしては強過ぎますし、かつてシェフにいただいたものとはまったく違う色になりました。

こんなはずじゃなかったと思っても、時を後戻りすることもできず「そうだ、氷砂糖とホワイトリカーを足して、この渋さを薄めよう」と思いたち、適当な分量の氷砂糖とホワイトリカーを追加します。

そうしてみても、シェフの作ってくれたユズチェロとは色が違います。どのようにしたら良いのかまったく分かりませんでしたが、ユズの精油があまり上に浮いていないことに気付きました。

かつて送っていただいたユズチェロを思い浮かべると、決して透明感のあるお酒ではなく、乳白色にほんのりと黄身がかった色彩を覚えています。「そうだ、これだったのか」と、思い出したのがユズ酢でした。いわゆるユズをそのまま絞ったエキスで、徳島県の人はユズ酢と呼んでいるものです。

ユズ酢を加え、やっと色が落ち着きました。
苦味の象徴でもあるかのようなあの透明な黄色に、乳白色のユズ酢を加えることで、色的にも落ち着いてきたのです。

しばらく置くと、精油が上に溜まります。「これだったのか」と、私なりに妙に納得しました。
上の蓋に水蒸気のように精油が上がって飛び散り、最初は分からず拭き取ってしまいましたが、徳島の友人の言葉を思い出し、「これが精油だ」と、2回目以降の蓋の雫はそのままにすることにしました。

そのまま数日おき、また味見してみます。ストレートだとまだ苦味を感じます。
口当たりよく5倍ほどに薄めて飲むと、香りがよく、苦味も感じなくなります。ただ薄めることで美味しさもなくなります。
氷砂糖をまた追加し、味を何度も確かめます。

蓋の水滴は結構多くなりましたが、瓶の中に戻すようにして精油を大事に扱います。
氷砂糖がすべて溶けた頃に苦味も私の感覚ではなくなっていました。やっとできたと思っても、やはり完全ではなく、さらにホワイトリカーと氷砂糖、ユズ酢で味を整えます。この過程、いったい何回やったことでしょう。

「シャフのユズチェロには酸味はなかった」そう思い出すのです。
香りを残し、苦味を消し、甘味を出す。これってとっても難しいことで、一回ではとてもマスターできないと知り、とりあえず200mlのスリム瓶に何本か取り分け、「リキュール YUZU」のシールを貼って、自分でも飲みながら、家族や友人たちにも味見してもらっているところです。上の画像がそれです。

精油の香りと甘味、酸味は非常に美味しく感じるのですが、あの時のシェフの味にはまだまだ程遠く、課題や疑問をたくさん残しながら試行錯誤を繰り返し、暮れに第2段目に挑戦しました。

第2段目はもっとよくいくだろうなどと思いましたが、意外なことに農薬を取り除く為に水を替えながら二日間水の中にユズを浸していたことと、白いスポンジ部分を取りすぎたその行程で、かえって香油までも取ってしまうことにつながってしまったようで、香りがいまいち強く残りませんでした。

今期のユズはもう手に入りませんので、今年の暮れまで待つことにしますが、何度も何度も再々挑戦するつもりでいます。
そんな訳で、今年のユズが豊作であってほしいと、願わずにはいられない私です。