【モズの子育て:長野県北アルプス山麓松川村】2015.7.5


長野県北アルプス山麓の、水田や畑に囲まれた住宅地の一角です。
毎年いろんな野鳥が営巣したり、チョウも蜜を求めにやっ来ては卵を産んでいくような我が家の庭で2日、モズの子育てを観察できました。

隣の家との間の庭には、ユキヤナギ、カキ、ムクゲ、フサスグリなどの木や小さなブドウ棚などがあり、その他にクララ、コマツナギ、ヘンルーダ、ムシトリナデシコなど、チョウの吸蜜植物になるいろんな草花が生い茂っています。

2日の夕方、咲きさしたキキョウを撮ろうと、カメラを持って庭を散策していると、北側にあるムクゲの木陰から、2羽のモズが飛び出しました。

1羽はフェンスの東側に舞って行ってしまいましたが、もう一羽はしばらく近くの木の枝に止まり、私と目を合わせていました。手にしていたカメラを動かそうとすると、北側のテラスの屋根に舞って行って、けたたましく鳴き出しました。

2015.7.2 午後5時頃 鳴くモズの♂親:長野県北アルプス山麓松川村

茶色い頭で、猛禽類によく似たくちばし、目を貫くように走る黒い線。モズということは分かりましたが、図鑑で調べましたら、オスだと分かりました。

おなか側の赤みが弱かったり、目の上に走る白い線が別の写真ではくちばしの方にまで来ているように見え、「アカモズ見なかった?」と、野鳥愛好家もみなさんによく聞かれるように、心の中ではアカモズを期待してしまいました。

正確には分かりませんが、全体としておなかの周囲の色が薄く感じるので「高原モズ」と呼ばれるモズなのかも知れません。

数日前からカキの木で2羽の野鳥を確認していましたが、毎回、車で出掛ける前でしたので、ゆっくり観察していられませんでしたが、どうもこのモズだったようです。

その後、鳴き声が頻繁に聞こえてくるので2階の窓から見ますと、先ほどのモズが、ブドウ棚や低い庭木の中に出たり入ったり。
2015.7.2 午後5時頃 鳴くモズ♂親:長野県北アルプス山麓松川村

「もしや子育てか・・・」と思っても、近づくとまた逃げられるので、その日は2階からの撮影と、声の観察だけにとどめました。




翌日はゆっくり寝てなんかいられません。
モズの子育ての様子を見たかったからです。

モズの声に起こされるように起き、二階の窓から望遠レンズで昨日モズが飛び出したムクゲの木の付近にある低木や、ブドウ棚、カキの木の周辺を見ます。でも、声はしても、時々親鳥の姿しか確認できません。



何回も二階からカメラを向けていた午前10時頃、親鳥が虫をくわえて南側にあるウメの木にやってきました。オスです。
2015.7.3 午前10時頃 虫を捕まえて梅の木まで持って来たモズ♂親:長野県北アルプス山麓松川村

写真を拡大すると、翅がある昆虫のようです。幼鳥の餌を運んできたようです。
オスの親鳥は北側のブドウ棚の中に入ったようですが、ヒナに餌を与えているとところを確かめたくっても、ブドウの葉っぱが邪魔してはっきり分かりません。

親鳥はブドウ棚から出て、イボ竹の上で鳴いたり、隣の上の屋根に行って鳴いたり。とにかくひっきりなしに鳴いています。
カメラに気づいて警戒しているのかもしれません。
2015.7.3 午前10時頃 ブドウ棚で鳴くモズの♂親:長野県北アルプス山麓松川村80kb

そんなことで、ヒナはブドウ棚にいるというところまで分かりました。あとはブドウ棚にカメラを向けて観察するだけです。
西側の窓から望遠レンズを向けて粘り強く待ちます。


そんな時、フェンスやら隣の屋根などに行って鳴いていた親鳥は急に、耕したばかりの北側の畑に舞い降ります。
慌ててカメラを向けると、
2015.7.3 午前10時頃 裏の畑で昆虫らしきものを捕まえたモズ♂親:長野県北アルプス山麓松川村

モズ父さん、畑の昆虫を捕まえたみたいで、口に何かくわえてます。
そしてまた、ヒナのいるブドウ棚に入っていきます。
せっせとモズ父さんが子育てに励んでいる姿は、人間も見習わなくてはならない、立派な姿に見えました。

親鳥がまた餌を探しにブドウ棚を去ったあとにブドウの葉と葉の間に目をやると、無造作に伸びたブドウのつるに、モズのヒナがちょこんと姿を現します。最初は後ろ向きでしたが、やがて明るい方に顔を向けます。

スズメのような茶色い羽を見ることができました。正面から顔が見えると、黄色いくちばしや目を貫く黒い線などがしっかり見えます。ほら、見えますか。
2015.7.3 午前10時頃 ブドウ棚の中のモズの雛:長野県北アルプス山麓松川村

大きな黄色い口を開けて、餌を待っているようですね。
2015.7.3 午前10時頃-131 黄色い口を開けるモズの雛:長野県北アルプス山麓松川村


あまり警戒させてはと、ここで一旦撮影を中断しました。



11時半頃です。
ブドウ棚に目をやっても、ヒナの姿も親鳥の姿も確認できません。
レースのカーテンでカメラの覆いをし、西の窓にカメラを構え、親鳥が戻ってくるのを待ちます。

今度親鳥がやってきたのはブドウ棚ではなく、そこから4、5メートル南側のイチイの木でした。
相変わらず葉っぱの陰で、餌を与えている場面の撮影はできませんが、親鳥の去ったあとに、ヒナがイチイの葉の陰から顔を出しました。
2015.7.3 午前11時半頃 イチイの枝に移動して親を待つモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村


モズのヒナは、キョロキョロと辺りの様子を伺いながら、あちこち見ています。
顔はスズメみたいですよね。

頻繁に押すシャッター音で、カメラの存在に気づいたようです。
音を控えながら観察を続けます。
2015.7.3 午前11時半頃 シャッターの音でカメラに気づいたモズ幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

おやおや、モズの赤ちゃん、何を発見したんでしょうね。羽を広げて飛ぼうとしています。
2015.7.3 午前11時半頃 イチイの枝で羽を開くモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

「地面には降りないでね。近所に猫がたくさんいるんだから」思わず、そう叫びたくなってしまいます。
よく見ると、尾羽がまだ短いですし、風切もまだまだ発達していないので、そんなに飛べるとは思えません。


そんな時です。親鳥が来ていたと思うと、一瞬の間にブドウ棚の前に転がしてある大きな石に向かって舞い降りました。
そして口には青虫が。親鳥の姿はもうありません。
2015.7.3 午前11時半頃 石の上に舞い降りて青虫を口にくわえたたモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

あらあら、せっかくのご馳走の青虫を、石の上に落っことしちゃったみたいですよ。
2015.7.3 午前11時半頃 青虫を落したモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

ちゃんと移動して拾えました。今度はちゃんとお口の中に入れることができたみたいです。
2015.7.3 午前11時半頃 ちゃんと青虫を拾えたモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

ここ数日、モズの親子の鳴き声を聞いてか否か、いつもいるスズメ、ツバメ、キジバト、カラスに加え、ムクドリの群れ、カッコウに似た鳥など、いろんな鳥たちが集まって来ています。ネコなどもいつ飛び出してくるのかわからず、見守る私のほうがドキドキです。


そんな時、モズの赤ちゃん、石の上で鳴きながら大きく翼を広げたと思ったら、
2015.7.3 午前11時半頃 石の上で羽を広げて鳴くモズの幼鳥:長野県北アルプス山麓松川村

石の陰に舞い降りて、自分から身を隠してしまいました。何かの危険を感じたのかもしれません。
わずか数メートルでも舞うことができたので、またブドウ棚の葉っぱの陰に身を寄せたのかもしれません。
この日にモズのヒナを観察できたのは、ここまででした。

その間、オス親がずっとヒナに餌を運んでいました。
ヒナも1羽だけでした。


その後、庭の西側で巣を探してみましたが、見つけることはできませんでした。
狭い住宅地ですが、家の周りにはいろんな木があるので、そのどこかに巣があるのかもしれません。



その日の夕方、電線で鳴くメスを見ることができました。おそらくヒナのお母さんでしょう。オスのモズもちょっと離れて電線に止まって鳴いています。さらにちょっと離れた電線には別のモズも。まさか赤ちゃんモズとも思えませんが、否定もできません。

午前中姿を見せなかったお母さんモズは、まだ巣立っていない他のヒナの面倒を見ていたのかもしれませんね。
2015.7.3 午後6時40分 夕方、初めて電線に姿を見せるモズ♀親:長野県北アルプス山麓松川村

お母さんモズの目がやけに優しく見えました。
2015.7.3 午後6時40分 優しい顔をしているモズの♀親:長野県北アルプス山麓松川村

庭でチョウの食草を育て、いろんなチョウたちが産卵に来ている我が家の庭ですが、そのチョウたちがやがてモズに襲われないとも限らないのに、モズのヒナが元気に育って欲しいと、ついつい願ってしまうのでした。



2015年7月20日

その後モズのヒナは順調に成長し、親子3羽で、我が家の庭を中心に飛び回っています。

昨日は、北側に面した家の網戸を開けて外を見ると、成長して飛べるようになったヒナが、網戸の前の北側のフェンスに舞ってきてご挨拶。

「あらまあ、もずちゃんこんにちは」なんて、声をかけたものだから、慌てて西側の藪の中に舞って行ってしまいました。

ホシミスジが舞い、アゲハの幼虫が鉢植えのユズにいるような我が家の庭ですが、その一方でモズのヒナの成長も楽しみですね。


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