【ペガサスノツバサを知っていますか?】

「ペガサスの朝」を 時々Apple music で時々聞いています。五十嵐 浩晃さんが歌っていたので、知っておられる方は多いでしょうね。では、歌詞の中にも出てくるペガサスノツバサと言う貝をご存知でしょうか?こんな貝です。

実は私はペガサスノツバサという貝があるということ知っていましたが、残念ながら五十嵐さんのことも、その曲が出た頃のこともまったく分かっていなくって、ずっと後に知ったのです。でも最近どこかからその曲が流れてきた時に「懐かしい〜」ってなったんですね。不思議ですね。

若かりし頃、お店などに行けば普通に流れていた音楽が記憶の引き出しの奥に眠っていて、今頃になってあれもこれも懐かしい〜となっています。前回ご紹介した「想い出がいっぱい」もそうです。

ではなぜ今、ペガサスノツバサなのかと言いますと、私にも夢を追って羽ばたいていた頃があって、そんなことを思いださせてくれたからなんです。

海なし県で育ったせいか海が大好きで、海岸に行くと石ころや貝殻拾いばっかりしていたんですね。実は今もです。貝殻なので、貝はすでに死んでいます。拾っても生きた貝は海に戻します。きれいなので惜しいなって思う時もありますが、標本にするには殺さないといけないので、基本的に最初から生きた貝は拾わないようにしています。どうやら本物の蒐集家ではなさそうですね。

そんな貝殻収集を海岸でしていて、いつの間にか標本として売っている貝殻にも興味を持つようになったんです。お店にあるとついつい見入っていくつかを求めてしまい、今では小さな標本箱では収めきれないほどになってしまいました。

名前を調べるためにふさわしい図鑑が欲しかったんですけど、当時は貝の図鑑は非常に高額だったので、子供用の貝の図鑑をいくつか求め、当然それだけでは出ていないものが多いので、古本を求めて使っていました。

実はその貝殻の中に、ニオガイ科の「ペガサスノツバサ Pholas orientalis」があるんですね。同科にテンシノツバサガイもあり、名前がかっこいいのでついつい二つとも求めてしまいました。ペガサスは誰でも簡単には知っていると思うのですが、ギリシャ神話に出てくる翼のある馬ですよね。空も飛べるようですが、神話なので実際にいるわけではないですが、その空飛ぶ馬の翼を貝の名前につけたのでしょうね。洒落た名前だなって思いました。

そしてその貝殻を買ってどうするかというと、つい最近までは、木で作った標本箱や紙の箱に、名前などを書いて一応標本として大事にしまっていたんですね。

ところが昨年の初秋頃のこと、あることがきっかけで二階と一階の物を入れ替える必要が生じ、引越しのような作業を徐々にやっていたんですね。ベッドや一部の衣類などはさっさとできたのですが、その他のものもたくさんあり、いずれ移し替えないと私の体力も持たない・・・などとなり、本当に少しずつやっていました。

私の部屋に積み上げられていた貝殻も整理することで部屋も片付くのではないかと思い、箪笥の中の物や布団などよりも先に、つい貝の標本整理に手を出してしまったんです。毎日毎日コツコツ貝のアルコール消毒をしながら、標本は何日もかけてやっと年内に整理し直しました。ペガサスノツバサもテンシノツバサガイも、他の貝殻標本と一緒に、木の標本箱に入れ直しました。

その頃のことなんです。「ペガサスの朝」がどこからともなく流れてきたのは。本当に懐かしいと思いました。ペガサスノツバサやテンシノツバサガイをアルコールで拭きながら、またこの曲を聴きたいと思ったんですね。それで Apple music で曲を探したんです。簡単に見つかりました。探していた懐かしい曲が見つかるって、嬉しいことですね。

実はYouTubeにもありました。誰でも聞くことができます。とっても素敵な歌詞と曲ですので、興味がありましたら聞いてみてください。

実はペガサスノツバサという名の貝は、白い二枚貝で、テンシノツバサガイとちょっと似ていますが、テンシノツバサガイより、ちょっと大きく、細長く感じます。テンシノツバサガイは大西洋に生息しているようですが、ペガサスノツバサはインドから西太平洋に生息しているようなので、どうやら日本の海岸で拾うことは叶いそうにないですね。

でも、ペガサスの朝を聴きながら、ペガサスノツバサを思い描き目を閉じると、思いの中の私はインドやマレーシア、シンガポールの海岸を歩いているような気持ちになってきます。

"めぐり逢いは誰もいない海・・・そう あの日から時はペガサスの翼 夢を背中にはばたいて・・・あなたとは恋と言えない 友達でいたい・・・"

ちょっと強がっているように感じますが、誰でも夢を背中に羽ばたいた頃があるはずです。私にもそんな時期があって、その頃は必死で木炭を持ってカルトンに、絵筆を持ってキャンバスに向かっていました。後に集めた貝殻は絵のモチーフになりました。結果的には夢に描いていた世界には進みませんでしたが、時々機会があれば夢のかけらみたいなものに手を出して想いを叶えています。あの頃の私が、今の私を形作っているのかも知れません。

誰でも夢を背負って羽ばたいていた頃があると思います。そんな若かりし頃に心が戻ってしまうかも知れません。曲を聴くと元気が出ますね。