【人も車も恐れないの?杉林のツキノワグマ:長野県北アルプス山麓大町市】2016.7.14

アサギマダラの観察の帰り道、大町市の林道で11日、ツキノワグマに会いました。杉林の中にいる黒い獣に何気なく目が行き、そのまま車の中から、移動するツキノワグマを観察しましたが、人も車も恐れる気配がなくびっくりしました。

出会ったのは体長1メートル以上の恐らくまだ若いクマさん。年齢までは分かりませんが、大人びた顔つきでもなく、だからと言って小熊でもない。成獣と言ったらいいのか、成獣になりたてと言ったらいいのか、毛並みも顔つきも綺麗なので、きっと若い熊だろうなと思います。

杉林の中で、草を食べています。左手前の杉の木にあるのはクマの引っ掻いた痕でしょうか。

クマさん、こちらの様子に気ついたようです。

車はエンジンかけっぱなし。窓を開けてカメラを向け、シャッターの音が響いています。人の話し声まで聞こえたのかも知れません。

しばらくお食事に夢中でしたが、向きを変え、歩き出しましたので、木々の間から見えるように車も移動します。

道よりも一段上を南に向かって歩いています。実はこの先には民家があります。

そして、時々立ち止まり、こちらに目を向けます。シャッターの音が気になるのでしょうか?耳をこちらに向けて立てていますね。

また立ち止まり、見ています。車のエンジンの音もカメラのシャッターの音もしますが、何もしないので、安心しているのでしょうか。

おやおや、枯れた杉の葉を嗅いでいます。餌を探しているのでしょうね。

ちょっとだけ近くに来ました。耳をこちらに向けて立てているのは、こちらのことが気になっている証拠ですね。

何を考えてか、右を見ます。

おやおや、今度は左を見ていますね。

あれあれ、こちらに向かって来るような様子です。

なんだか、先ほどよりもずっと体が大きく見えますね。

えっ?車も人もいるというのに、ホントにこっちに来ちゃうの、クマさん?

草むらに入ったと思ったら、草陰から顔を出しました。

一段高くなっている車道に、よっこらしょ。

車が止まっている車道に出て来てしまいました。夢中でシャッターを切りましたが、ちょっと怖いのは私だけかしらね?

車の後ろの方に行ったので、バックミラーのクマを狙います。

車の後ろから、反対側車線に行き、そちらの林の中に入って行きました。

夫と、座席を交代してみましたが、これ以上追うことはできなく、クマはそのまま林の奥に姿を消しました。

出会ってからたった13分ほどでしたが、車も人も恐れることのない大胆なクマの行動に驚くばかりでした。道に出て来た時には2、3メートルしか離れていないわけですので、ちょっと冷やっとしましたが、何食わぬ顔で反対側の林に行ってしまった時には、もうちょっと観察したかったなと、惜しい気持ちでいっぱいになりました。

それにしてもクマさん、道に出る時にはちゃんと左右を確かめてから出るんですね。私たち人間も見習わなくっちゃいけませんね。

実はこの付近は、よくクマが出没するエリアのようで、私が知らなかっただけでした。

もっとも、キツネやタヌキを以前に目撃していましたので、夕方でもあり、ちょっと期待してカメラの準備をしていたので撮影ができましたが、日中だったら通り過ごしてしまい、気づかなかったに違いありません。

用心深そうなクマさんでしたので、人に迷惑かけずに、このまま森で立派に生き抜いて欲しいですね。

またいつか元気なクマさんに、車の中から会いたいものです。