この季節になると、山菜やタケノコが店頭に並びますね。何よりもの楽しみとして、山に山菜採りやタケノコ採りに行かれる方も多いのではないかと思います。
ウド、タラの芽、コゴミ、ワラビ、タケノコ・・・などはよく産直のお店にも並んでいますね。
タケノコもこの季節の味覚のひとつですが「アク抜きが面倒で・・・」などと思われている方がいらっしゃるのではないかと思っています。実は私もそうでしたから。
タケノコ自体は美味しいのは知っているんですけど、アク抜きが実に面倒で、管理地の山にあるタケノコを、「サルが食べてくれるから・・・」などと言って、数年前までは放っておきました。
実際にサルたちはタケノコの上の部分にかじりつき、その形跡がたくさん竹林にありました。
サルが上の部分を食べるとタケノコは伸びなくなるようで、サルは竹の退治にも一役買っていたのです。
「もったいない」という気持ちはあったのですが、要するにアク抜きの簡単な方法を知らなかったことと、竹が増えるのを黙認していただけなんです。
先入観だったかもしれないのですが「タケノコはコヌカや米の研ぎ汁でアク抜きをしないと、アクが強くて食べられたものではない」と思っていたのです。
タケノコを掘るのは楽しそうなのですが、問題はその後の手間ですよね〜。
ところが、物好きな夫がテレビ番組で知り「掘ってから3時間以内に調理するとアクがないんだって・・・」と言うのです。そうして、管理地で放っておいたタケノコを掘り始めたんです。
「どうやって料理するのよー」と少し面倒くささを感じていた私は、渋々夫が掘ったタケノコを家に持ち帰り調理し始めたんです。
最初は何も分からないので、米のとぎ汁などにタケノコを入れて茹でました。こんなに面倒なのかと非常に不愉快になったものです。
「もったいない」の気持ちもあり、50cm以上も伸びたようなタケノコまで掘っていた夫です。根本付近はもう竹です。緑色になっているのですから。
でも夫はタケノコに興味があったようで、3時間以内に調理できるように管理地の帰りの時間ギリギリに掘ることにしたのです。
多少長くても柔らかければと、1メートルにもなるようなタケノコまで掘る、というより切るのですが、流石にそればかりは現地で捨てました。
ところが、「3時間以内」を知ってから、50cm程度に成長したタケノコでも、夫は平然と切ってくるので、私としては仕方なくアク抜きに挑戦することになったのです。
長いタケノコはアクがあり、水を毎日変えながら水の中に3日も入れていたことがありました。なんて面倒なものなんだろうと、もう食べることよりも先にカチーンと頭に来てしまいました。
夫が切ってきても、緑色のすでに竹になったような部分は惜しげもなく捨てて、色がまだ淡いベージュのような部分だけを薄く切り、ただの水だけで数分間煮て、そのままの状態で一晩置いてみました。長い時には水を替えながら3日も置きました。
そんなことを毎年何度も何度も繰り返すうちに、掘るタイミングと、アク抜きの仕方をいつの間にか覚えていったのでした。
覚えたのは、掘ってからできるだけ早く処理するだけだったということなんです。
皮を付けたまま茹でたり焼いたりする方もいらっしゃると思いますけれど、私は皮のまま二つに切ってから皮を剥き、調理する大きさに切り、一回水で白いアクを流してから多少多めの水で茹でています。
タイミングが良ければそのままで食べられます。薄く切った太い方を食べてみればわかります。多少アクがあれば、そのまま一晩鍋に入れっぱなしにします。翌朝はアクが抜けていると思います。
まだアクがあるようなら、水をかえてもう1日水の中におけば良いです。
根本付近の太いところは固いので、薄く切ります。先っぽは柔らかいので、細く切る必要はないですね。
タケノコがたくさんある時には何かと一緒に煮るということはしないですけど、タケノコご飯というのも美味しいですね。
タケノコだけですと、鶏ガラスープの素と醤油とほんのわずかな水だけで、中火か弱火で煮て味を全体になじませ、最後にごま油を加えれば、それだけでとっても美味しい一品になります。
唐辛子を入れれば、大人の味ですね。
タケノコは一年中食べられるものとはいえ、本来はこの季節だけのものですので、旬を味わってみるのはいかがでしょうか。
2024年5月5日