【えっ!こんなのが食べられるの?ササクレヒトヨタケ:長野県北アルプス山麓】2017.3.18

思いもよらないキノコが「食べられる」と、図鑑などでよく見ることがあります。ご存知の方には笑われそうですが、このキノコもその一つでした。

「えっ!こんなのが食べられるの?」と、ついつい目を背けたくなるような「溶けた」部分も見える、ちょっとビックリのササクレヒトヨタケ。勇気を出して挑戦してみますか?

ササクレヒトヨタケに初めて出会ったのは2007年9月。長野県北アルプス山麓大町市の鹿島槍スキー場周辺の林の中です。秋の渡りをするアサギマダラがよく立ち寄るところが近くにあり、当時はゲレンデ下の道路沿いに、アサギマダラが好む香りのいいフジバカマが植わっていたのです。

そんなこともあってゲレンデ付近を訪れていた時に、たまたま林の中の流木チップを敷き詰めているような場所に、このキノコを発見したのです。

面白いキノコだなあと、思わずカメラを向けましたが、黒い部分の一部が溶けています。こんな具合です。

一箇所ですが、少し別れて群生していましたが、この時にはキノコの名前も知らず、食べることができるということも知りませんでした。

黒く溶けているのはお化けみたいで不気味ですが、若いのは見栄えもいいです。

名前にある「ささくれ」が目立ちますね。下部分だけ見ると可愛い顔に見えませんか?フリルのついたブラウスを着ているみたいですね。きっとおしゃれさんなんでしょうね。

この後、もう一回だけ、ササクレヒトヨタケに出会いました。2009年6月のことです。場所は松本市島内の、道路ぎわでした。大型トラックも通るような道のすぐ脇の草むらです。

見ると分かりますように、黒い部分は枯れるというよりも溶けています。手を出して採取する気にはならないですよね。

気になったのは、秋のキノコというわけでもなく、6月の梅雨に時期にもできるということでした。湿度が多い時期ですので、季節は関係ないのかも知れませんね。

梅雨に時期にどっさりと雨が降ったような年の夏には、よく「夏松茸が出る」と、聞いていました。松茸も気温と適度な湿気があれば、夏でも発生するのですね。キノコですので、乾燥した時期というよりは、湿気の多い時期を好むのでしょう。

私はただ見つけただけで、ササクレヒトヨタケを採取したことはありませんし、調理方法も知りません。インターネットでは、調理方法がたくさん載っていました。溶けたような黒い部分は食べられないそうですが、若い部分は美味しいのだそうです。勇気を持って採ってみますか?

❇︎ 山のキノコは非常に美味しいですし、各地の直売所などでも販売されています。

ササクレヒトヨタケは北アルプス山麓の直売所などでは見たことがありません。

図鑑に「食用」と書かれていても、また一般に「食べられる」と言われていても、稀に「キノコにあたる」ということもあるそうです。

個人の体質やその時の体調、あるいはキノコ自体に含まれる何かなのかもしれませんし、調理方法や食べた量にもよるのかもしれません。

「松茸でもあたった」と言うことがあったそうです。

「食用キノコは絶対安心」とは断言できませんので、申し添えておきます。