全国的に気温が上昇した長野県鉢盛山麓朝日村の標高900メートル付近で25日、久々の青空の下、1頭のコツバメと2頭のトラフシジミが満開のシャクナゲを訪花していました。甘い蜜をお腹いっぱい吸って元気になったようで、午後3時には姿が見えなくなりました。
春を待ちわびたように出てきたコツバメとトラフシジミ。朝日村の天然記念物に指定されているヒメギフチョウが出現してからほぼ10日後のことです。カタクリは種になり、サクラは葉桜となりました。ヒメギフチョウの姿はもう見ません。
でもぼちぼちと咲き出したピンクのシャクナゲはちょうど満開です。そのシャクナゲの甘い香りに誘われるかのようにたくさんの小さな虫やアシナガバチ、スズメバチに混ざり、コツバメとトラフシジミが出現しました。
コツバメもトラフシジミも、ヒメギフチョウと同じく蛹で冬を過ごし、春に羽化したチョウたちです。日本各地にいるので決して珍しいチョウではありませんが、コツバメはヒメギフチョウと同じく、この時期にしか見ることができません。スプリングエフェメラルの一つと言っても良いかもしれませんね。
一方トラフシジミは、この時期と、6月から7月にかけても出現しますが、はっきりした白い斑紋は、春のこの時期にしか見ることができません。夏には白い部分がもっと地色に近くなります。これは春型という訳です。
カメラでチョウを追いかけている割には、どちらの種もあまり出会う機会が多くありません。過去にトラフシジミの春型に出会ったのは、松川村で2008年の5月だけでした(下の画像参照)。
北アルプス山麓でのトラフシジミとの出会いは7月が多く、私としては8月にはたった一回だけの記録があるだけです。
朝日村では春も夏も個人的な撮影記録がありませんでしたので、今回は朝日村での初記録と言うことになりました。
コツバメが舞うと、青いチョウが舞っているように見えます。とっても魅力的です。表の翅はあまりふさわしい画像がありませんでしたが、トラフシジミの表の翅は、上の画像のように青く光ってすてきなんですよ。過去の画像でごめんなさい。
ツツジやシャクナゲなどを観察してみてください。皆さんもコツバメやトラフシジミに出会えたら良いですね。
2024年4月26日