【チョウ愛好家 聖地での経験1:香港Kさん】2010.5.6

【チョウ愛好家 聖地での経験1:香港Kさん】2010.5.6 ついついペコ

ペコ/ 白馬村ではギフチョウ、ヒメギフチョウを、1974年(昭和49年)4月1日、村指定文化財の天然記念物として認定しました。条例に罰則が適用された経緯は先に書いた通りです(「罰則規定に至った経緯」を参照)。

白馬村は、チョウ愛好家の皆さんにとっての聖地です。ここでは公正に、チョウ愛好家の皆さんの意見も取り上げます。最初に香港のKさんから、聖地白馬村での経験をお聞きしました。Kさん、どのような経験だったのか、お話ししていただけますか。

香港Kさん/ 1988年だったか、初めて白馬村を訪れました。当時から天然記念物には指定されていたとは思いますが大学を卒業したばかりで今より分別がなかったもので(笑)堂々とネットを出し別荘地を歩いておりました。結局その日は晴れていましたが気温が低く、ギフチョウの姿を見ることはできなかったのですが、車に戻って引き上げようとしたときに監視人が現れました。

「何を採られてるんですか?」から始まり、「採集禁止である」との説明でしたが、よくよく聞いて見るとギフチョウの生態を全く理解していないし(よく夏に「ギフチョウ採るな!」と怒られたという話ありますよね)何より腹が立ったのは、「あの辺の別荘、みんなカンアオイを下敷きにして建ってるんじゃないの?卵、幼虫、蛹、根こそぎつぶしてるかもしれないんですよ」と言った私に対し、「採集は×だけど私的所有権の問題から別荘開発はやむを得ない」とのたまったのです。では別荘地に別荘を買って、庭にギフが卵を産めば採ってもよい、ということになる訳です。

ここが非常に重要で、白馬村は今まで別荘やオリンピックのジャンプ台開発、スキー場などの観光施設で潤ってきたことは事実でしょう。これと、環境保全をどう両立させるか?何回も言い古された話ではありますが、条例違反採集者のみに罰則を設けるということに皆さんが反発するのです。

私は、白馬村が心からギフチョウ・ヒメギフチョウを守ろうとしているなら、サンクチュアリのような保護区域を設定し、そこでは一切の現状変更を許さない(別荘建設などもってのほか)ぐらいのことをしないといけないと考えています。

今までの白馬村の行動を見ていると、村としての利権を最優先し、今まで無数のギフ、ヒメギフを犠牲にしてきたと推測されるのに本当に蝶を愛している愛好家の採集行為だけを目の敵にしている・・・と感じるのです。もし、開発での減少が一番大きいということを十分認識して(ここ重要)、採集者にも採集自粛をお願いするのなら罰則など論外で、上記のようなもっと他のやりかたがあるはずです。

ペコ/ Kさん、辛いお気持ちを語ってくださり、本当に有り難うございました。また、白馬村に対して前向きな意見にも感謝します。こういう対応は改善されてほしいですね。

また、少しずつチョウ愛好家の皆さんの経験やご意見をご紹介致します。