【月光を反射する北アルプス:長野県大町市美麻新行】2010.1.31

「満月に照らされ、銀色に輝く北アルプスの素晴らしさを、地元の人は誰も分かっていない」。その言葉を信じて、2010年1月31日の夜、長野県大町市美麻新行の小高い丘に登った。満月の2日後の10時頃だった。

数年間信州を離れて都会暮らしをした人が、再び信州に戻り「感動した」と、目を輝かせて話した北アルプスの秘話。その美しさに気付いたのは、見慣れた景色から数年離れた後だったと言う。

「銀色に輝く山を撮りたい」ただそのためだけに氷点下の夜、美麻新行地区を訪れた。

誰も通らない車道に車を止め、堅く踏み固められた細い道をわずか登ると、西側にぼんやりと雪を抱く爺が岳と鹿島槍ヶ岳が見えてくる。

月は東の空に。しかし、山はお世辞にも決して輝いてはない。「満月の二日後だから」半ばあきらめながらカメラを雪中に据え、角度を変えて何回かシャッターを切った。

「やはり、満月でなければいけなかった。再挑戦しよう」そんな思いで、帰路につく。下り坂の電光掲示板は、マイナス3℃を示していた。

銀色に輝く北アルプス。ぜひ撮影に挑戦してみてください。美麻からではなくても、多分山麓からならどこからでも魅力的だと思います。