【思いっきりおさるさん2:長野県北アルプス山麓】2016.2.28

木の皮を食べるニホンザル長野県安曇野市穂高有明2009.2.2

【思いっきりおさるさん1:長野県北アルプス山麓】2016.2.28 の、続編第2弾です。

第1弾では、主に人間とサルとの共存に目を向けてきました。人間から餌のリンゴをもらったサル、農作業被害を起こしているサルや、そのサルたちが電線を伝って逃げたり、あちこちで電線をうまく使っているサルたちなどをご紹介いたしました。

第2弾では、北アルプス山麓で生き抜くために、サルたちがどうやって餌を採っているのかなど、自然界の中でのちょっとした様子を見ていただけたらと思います。

上のおサルさん、何していると思いますか?木の枝の皮を食べているのです。

画像は、安曇野市穂高有明で、2009年2月2日に撮影したものです。ちょうど、有明の方から呼び出しがあり「有明からも浅間山が見える」と言うのです。ちょうど浅間山が噴火し、確かに東の方向にちょこっと、白い噴煙が南側になびいているのが見えました。望遠レンズでないと、ちょっと小さすぎます。そんな折に出会ったのが、このサルさんです。

真冬の北アルプス山麓での生活は、サルたちにとっても死活問題です。とにかく餌がないのです。

山麓のところどころで皮のはがれた木を見ることがありますが、野鳥やサルたちがその木の枝の皮を食べて飢えをしのいでいるのです。

最初、はだかんぼの木を見たときには一体何だろうと思いました。この場所は穂高有明ですが、大町市の中綱湖周辺では、そんなはだかんぼの木をよく目にしていました。

木の上まですっかり皮がないので、シカやイノシシにしては、ちょっとおかしいなと思っていましたが、過去のファイルから見つかったこの画像で、そうか、サルなのかと分かった次第です。

ちょこんと座ってタバコでも吸っているかのような仕草をしていますね。当然タバコではないのですが、何かを食べています。でも、周りは枯れ木ばかりですよ。木の皮を食べながら、浅間山の噴火を見ていたのでしょうか?

木の上で何かを食べるニホンザル長野県安曇野市穂高有明2009.2.2

もしかしたらサルさん、木の皮以外の木の芽なども食べているのかもしれませんね。でもまだ新芽にしては目立たないほど小さいですけどね。

冬には木の葉が落ちますので、木の上や下にいるサルたちに気づくことが多いです。

松川村鼠穴はよく行くところですが、そこでも厳冬の2月にサルさんを見ました。何を考え、どこを見ているのでしょう。

ニホンザル長野県北アルプス山麓松川村鼠穴2015.2.28

北アルプス山麓では、雪の中のサルに出会うこともあります。餌を探し回っているのです。 大町市美麻から市内に通じる県道で2010年1月、こんなサルを見ました。

雪の中のニホンザル長野県北アルプス山麓大町市大町市美麻から市内への県道2010.1.26

幾つもの足跡がありますね。きっと雪の中を歩き回ったその足跡でしょうね。こんなサルさんの姿を見ると、たくましく生き抜いて欲しいと願うのは、きっと私だけではないはずです。

5月、山は新緑の季節です。この季節になると、サルさんたちのご馳走がいっぱい。柔らかい木の葉を美味しそうに食べていますね。

桜の頃、葉っぱを食べるニホンザル長野県北アルプス山麓大町市扇沢2011.5.20

家族もみんな木の枝にいます。

桜の頃のニホンザル長野県北アルプス山麓大町市扇沢2011.5.20

こんなにたくさん。

桜の頃のニホンザル長野県北アルプス山麓大町市扇沢2011.5.20

とても幸せそうですね。

桜の頃のニホンザル長野県北アルプス山麓大町市扇沢2011.5.20

こんな清流沿いにもいましたよ。 雪解け水は、冷たいでしょうに、水を飲みに来て、ここでも草を食べているのでしょうか?

清流とニホンザル長野県北アルプス山麓大町市扇沢2011.5.20

7月です。

おやおや、大町市大町ダムの上にある龍神公園の脇で、おサルさんが土を掘り繰り返しています。ミミズでも見つけているのでしょうか?イノシシは土を掘りますし、野鳥のシロハラも土を掘ります。おサルさんが土を掘るというのは私にとって初めてでしたが、土の中に、何か美味しいご馳走がいるのでしょうね。

時として、毛が白っぽく見えるサルも見ますが、このサルは茶色いところが頭のてっぺんと、背中に一部、手や足に一部といった感じですね。白っぽい毛皮の外套を着ているように見えました。

土を掘るニホンザル長野県北アルプス山麓大町市龍神公園2007.7.1

サルさんの別の画像です。 犬は毛が生え変わりますが、おサルさんも毛が生え変わるかのかしらね?もしかしたらお年寄りで、白髪になったのかしらね?何だかあまり毛並みがよろしくなさそうに見えますね。

ところで、土に中から何か見出したかしらね?こんなお仕事は初めて見ました。

毛が生え変わるの?ニホンザル長野県北アルプス山麓大町市龍神公園2007.7.1

ご馳走がいっぱいですね。 公園には大きな木があり、実もなっています。そんな木の実を食べているのです。

ニホンザル長野県北アルプス山麓大町市大町ダム下公園付近2009.7.24

ダム周辺の公園では、サルたちは逃げません。むしろ子ザルは人間が座って話をしていると、好奇心から近づいてきます。でもそんな時にはカメラを向けられません。親たちは遠くから子ザルを見守っているために、知らんぷりしながら話を続けるしかありません。

人間が去った後にはご馳走が残っていることもあるようで、サルも、クマも、カモシカもやって来ると聞きました。

カモシカの闘いを見た通称「クマおじさん」は、「それはそれは、示唆まじかった」と、話してくれました。後日呼び出されて現地に行きますと、話してくれたその場所に、カモシカの毛がたくさん落ちていました。 夏が

過ぎ、秋です。 山麓ではアサギマダラも南下の旅に出る頃です。 マーキングも一段落すると、山が恋しくなり、ちょっと高瀬渓谷に出向いてみました。紅葉にはまだ早いのですが、大町ダム湖は、いつものようにエメラルドグリーンに輝いていました。ダム湖近くの尾入沢では、サルたちが大型トラックが何台も行き交う道でのんびり散歩したり、水色の橋の欄干の上を歩いたり・・・

そんな中で、こんな素敵なサルさんの横顔を見ることができました。毛並みもきれいですね。

ニホンザル高瀬渓谷尾入沢の水色の橋付近2010.9.28

こんなポーズもしてくれました。「わたしって、色白で美人でしょ!」

立つニホンザル長野県北アルプス山麓大町市高瀬渓谷尾入沢の水色の橋付近2010.9.28

その11月も終わりのある日、大町市の大谷原の帰り、爺ヶ岳スキー場に通じる途中で、石を石垣のようにたくさん積み上げたところがあります。たくさんのサルたちがその石垣の上に乗って、休んでいました。

見ていると、石垣のようなところから降りたり登ったりしながら、周辺の林の中で何かを探していました。きっとエサなのでしょうね。もう周辺の木々は落葉し、緑の葉っぱはクマザサくらい。これから向かう冬に備え、栄養を蓄えなければなりません。サルさんにもちょっぴりと不安があるのでしょうか?

ニホンザル大谷原から爺ヶ岳スキー場へ行く途中2011.11.26

今はもう雪で、山頂は吹雪でした。

厳しい北アルプス山麓の冬を乗り越えて、また春になって人生ならぬ猿生を楽しんでほしいと願わずにはいられませんでした。