ムシトリナデシコは決して豪華な花でも、人が探し求める花でもないのですが、河原に行ってこの花が咲いていると、なんとなく心が安心する、そんな花です。幼い頃から、遊び場所の河原でこの花を見て育ち、「河原の花」というイメージが抜け切れません。
茎が部分的にねばねばしており、虫取り花とか、ハエ取り花なんて言っていました。
誰でも知っているのは恐らくピンクでしょうね。
白いムシトリナデシコ:長野県北アルプス山麓大町市 2010.6.23
でも、たまたま淡いピンクの花が河原にあり、その種を自宅の庭に蒔いたところ、毎年芽を出して花を咲かせています。
なんという安い観賞用の花なんでしょ。
実は観賞用に種を蒔いたのではなく、ヤマトシジミなど、小さなチョウたちが自宅周辺にたくさんいるので、そのチョウたちの吸蜜源にしたいためにムシトリナデシコを育てているんです。
当然ヤマトシジミのためにはカタバミもあります。ミヤマシジミが来ないかとコマツナギもありますし、ヒメシジミ用にというわけではないのですが、ヨモギも庭の片隅に繁茂しています。実は悲しいかな、このヨモギばかりは退治しきれないのです。残念ながらシジミチョウはヤマトシジミ、ルリシジミくらいしか来てくれません。
ところで、この白いムシトリナデシコ、大町市の高瀬川の河原に咲いていましたが、白花変種なのかどうかは、ちょっと不明です。
濃いピンクは普通に河原にあるのですが、淡いピンクはちょっと少なめ。白いムシトリナデシコは更に少ないです。
なので、もしかしたら白花変種かもしれませんが、またその可能性が大いにあるのですが、たまたまそういう種類なのかもしれません。
白であれピンクであれ、何れにしても愛情いっぱいに「河原の花」というイメージを持ってしまう私です。
【ムシトリナデシコ】Atocion armeria (L.) Raf. (ハエトリナデシコ、コマチソウ)ナデシコ科
ムシトリナデシコは、幾つかの図鑑では「ヨーロッパ原産で、観賞用に栽培されていたものが野生化した」となっていました。しかし残念ながら2015年から環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」の中(NO.110)に入ってしまいました。「総合対策外来種」で、定着段階は「分布拡大期~まん延期」とのこと。特に問題となる地域や環境としては「河原」となっています。
選定理由の「Ⅳ」は「生態系被害のうち競合または改変の影響が大きく、かつ分布拡大・拡散の可能性も高い」とのことです。
学名は、米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info( 2023年2月17日)引用