渡りチョウのアサギマダラの移動調査をしているのですが、長いこと移動距離のことで疑問に思っていることがありました。その疑問の解決に関連して作ったのがこのサインカーブのグラフです。とりあえず見てください。
アサギマダラの移動距離を割り出すのに、私は非常に便利なGoogle Earth や国土地理院の計算サイトを使っています。
2点間の最短距離を即座に計算してくれる Google Earth や 国土地理院の計算サイトは非常に便利ですし、難しい計算を難なくこなしてくれるのは非常に有り難いのですが、果たして標高まで計算しているのだろうかと、常々疑問でした。
そこで、知り合いの測量士の先生にお聞きして、いくつかの計算式を教えていただきました。その計算式の中の一つに、sin、cosなるものが出てくるのです。
三角関数は高校で勉強しているのですが、もう頭が錆びついてしまい、どうしてその計算の中にsinやcosが必要なのかが、さっぱり理解できませんでした。
錆びついた頭の引き出しを開けようと思ってもなかなか開きません。忘れたことを思い出すよりも、勉強した方が手っ取り早いので、一から調べ直し、数ヶ月前から数学の勉強を始めました。
そんな訳で、三角関数などに関係したいくつものグラフをExcelのソフトで作ってみたという訳です。
寝ても覚めても頭の中はsin、cos、tan で、毎日のように夢中になってやっているので、時が経つのも忘れます。気が付けば夜中の2時3時は当たり前と言った調子です。
そう言えば、中学の時は数学が一番好きだったんだ・・・なんてことを思い出し、進路を誤ったんじゃないかと何度も思いました。
こんなに夢中にさせることを何十年も忘れていたなんて、本当にもったいなかったと思いました。いかんせ高校時代はギターに夢中で、数学は単位を取るためにやっていたようなものですから。
そんな調子の毎日を送っていますが、錆びついた頭で理解するために作った一覧表から、グラフを作り、その形から、サインとはなんぞや、コサインとはなんぞやと、多少納得しているのです。
実はsin2乗とか3乗、2分の3乗なんていう、非常にややこしい計算もあるのですが、そんな計算に手が出せる訳もありません。そこで単純な頭で考えたのが、2乗、3乗を繰り返していけば一体どうなるんだろうと、一覧表を作成し、どんどん数字を入れてみたと言う訳です。
一覧表と同時進行でできていくグラフの形がどんどん変わっていき、面白いったらありません。赤道から北極までの・・・と言うと非常に大袈裟に感じますが、デスク上ではたかだか1°から90°までの範囲なので、それほど大変な作業ではありません。
グラフの形が変わっていく面白さは今まで数学をやってきた時には味わったこともないほどの感動でした。こう言うのを子どもたちにやってもらいたいですよね。きっと数学大好きになりますよ。
sinの計算から、角度30°、45°、60°に注目させているインターネットのサイトはいくつも見ていましたが、一覧表を作ったことで、なるほど・・・と思えるほど、簡単に割り切れる数字になっているってことに気がついたんですね。難しい計算式の証明よりも、一覧表やグラフの方が、ずっと分かりやすいと思いました。
さらに、90°は決まって1となることで、それよりは大きくならないということも理解できました。ラジアンなので0から1までの間なんです。誰が発明したんでしょうね、ラジアンって。とっても難しく感じていましたが、一覧表とグラフを作ってみて、初めてラジアンってなんて便利なんだと思えました。
さらに計算を続けていくと、北緯1°のところに数字としての0が出てくるんです。エクセルでの計算ではもう計算できないほど、0に限りなく近づいていっていることを、一覧表から理解できました。
さらに計算を続けると、0の数がどんどん増えていきました。
200乗、300乗、400乗・・・などとやっていくうちに、エクセルにメッセージが表示されました。同じことを何度も繰り返すと、正しい数字が表示されなくなることもある、というような内容です。
仕方ないので、割り切って幾つもの計算を削除し、コンパクトにまとめることにしました。
4乗あたりから出始めていた小数点以下の数字の表示が、9.27729E-08 のような記号ばかりになり、小数点以下を30位まで指定しないと、もはや一覧表から単純に数字を確認することはできなくなりました。当然小数点以下30位で指定すれば何らかの数字が出ますが、それを確認するまでもないでしょう。それでもグラフは思ったような形となっていきました。
できていくグラフの形を見ながら、1000乗、2000乗、4000乗と作ってみましたが、グラフの右側に数本の線が分かる程度で、なかなかその本数が減っていきません。
そこで、10000乗、50000乗と入力し、線の数を2本から1本に絞りました。
最終的に残った1本が何乗なのか当然知りたくなりますよね。当てずっぽに1,000,000とか入力しても、まだ消えません。
そこで400万、500万と入力し、そこから7桁目の数字を割り出しました。それが400万ということが分かりました。
では6桁目です。そこも当てずっぽに数字を入れ、1つか2つずつ数を少なくして割り出したのが6でした。460万という意味です。
1000の位で計算を終わりにして、4,651,000乗まで割り出すことができました。このあとは、暇がある方は挑戦してみてください。1の位まで割り出せると思います。
100の位を割り出すのに、5回ほど数字を入れれば分かりますし、10の位も1の位も、そのくらいの数字の入力だけで済みます。
と言うことで、sinθからsin4,651,000乗θまでの、ごくごく大雑把なグラフができたと言う訳です。
難しい計算の意味は理解できなくても、まだまだ試行錯誤の日々が続きそうです。皆さんも挑戦してみてください。面白いですよ。