【コムラサキの想い出:呑むさん】2011.2.3

【コムラサキの想い出:呑むさん】2011.2.3

2011/02/03 22:18 に ついついペコ が投稿 [ 2018/09/29 9:30 に更新しました ]
21歳の呑むさん:呑むさん提供

蝶を始めたのは中学1年、KY君との出会いがきっかけでした。

当時は福岡市に住んでおりまして、たまたま同じ団地の同じ棟に住んでいた彼と同じクラスになり、次第に話をするようになりました。彼はすでに蝶の飼育をやっておりまして、とある日彼の家へ遊びに行きますと当時飼育していたアゲハの終齢幼虫を見せてくれたのですが・・・その鮮やかな緑色の幼虫を見た瞬間、「綺麗!」と思ってしまったのですね~。これが蝶にはまった瞬間だと思います(笑)。


もちろん、それ以前にも関心がなかったわけではありません。ただ、それまではあくまでも大好きな昆虫の中の一つのグループであり、やはりカブトムシやクワガタなどの甲虫(こうちゅう)が一番好きでしたし、比べれば蜻蛉や蝉などの方が捕りやすかったしより身近でしたね。一応捕れるぶんには捕ってましたが、虫かごに入れるとばたばた暴れて羽が破れてしまうのであまり積極的には捕ってなかったように思います。小学生の時は春から秋までは学校が終わったら毎日一人で虫捕りに行っておりましたね。で、捕った虫を部屋の中で飛ばしたり手にとっていじりまわしたりして(笑)、夕方になったら外に放してました。で、冬になって虫捕りができなくなると、普通の子どもになりましてね、友達と缶けりやったり独楽で遊んだりしておりましたね。


で、彼と知り合って二人で近所で幼虫探しが始まったのでした。とは言え、ほとんど彼が見つけたのですが・・・。まずは学校の帰りに通学路の途中にあるミカン畑でナガサキアゲハの幼虫見っけ。はい、私の蝶初飼育はナガサキアゲハです。あとは同じくミカン畑でアゲハ、クスノキでアオスジアゲハ、ネムノキでキチョウ・・・etc。本当に家の近所で身近な蝶の幼虫や卵を見つけては飼育しておりました。


飼育は楽しかったですねぇ。幼虫がムシャムシャと葉を食べるところは本当に見ていて飽きませんでしたね。特にナガサキアゲハのど終齢になるともう見事な食べっぷりで・・・。葉っぱ一枚くらいあっという間に食べてしまいます。で、蝶の幼虫が葉っぱを食べる姿に見とれている私を・・・・のちに聞いたのですが、親は心配そうに眺めていたそうです(爆)。


で、その後私は中学2年の終わりに春日市に引っ越しまして独り立ちをするようになったのですが・・・。KY君と一緒の時は多くの場合彼が見つけていたのですが、その中で唯一私が先に見つけた幼虫がいました。それがコムラサキです。コムラサキは子どもの頃からなじみが深い蝶でした。蝶に特化する前の小学生の頃も、蝉捕りしてた木々の梢を格好良く滑空しておりましたし、その角度によって光る紫色は子ども心にも惹かれるものでした。そして何より、当時オオムラサキなんて夢のまた夢、ゴマダラチョウなら年に数回見れるかな?くらいの私にとって、姿が似ているコムラサキの幼虫を通して多分見ることは出来ないであろうオオムラサキやゴマダラチョウの幼虫を想像していたのでありますよ~(笑)。


で、何とか見つけられないかなぁ・・・と思っていた中学1年の冬休み・・・。とある柳にカミキリムシの幼虫が開けた穴の入り口に、オガクズがかさぶたのようになってるのを見つけ、ついそれをはがしてしまったのですが、なんと穴の近くに一頭のコムラサキの幼虫がへばりついているではあ~りませんかぁ。もうびっくりするやら嬉しいやら。もちろん、翌日KY君に報告です。するとそれから数日後・・・・彼が家にやってきて「俺も捕ったぜ。○頭おったぜ。」とにんまり。「え?○頭?」、そう私は件の1頭見つけただけです。と言う事で今度は私も探しなおし・・・で、ようやく見つけ方がわかりまして、実は最初に見つけた1頭が偶然だったのだということがわかったのでありました(笑)。


飼育の楽しみは日々成長していく幼虫の姿を見ることではありますが、やはり一番感激する場面は羽化の瞬間でしょうね。蛹が割れて頭が出てくる瞬間、そしてゆっくりと延びていく美しい羽・・・生命自体は孵化の瞬間、いや産卵された瞬間から始まっているのでしょうが、それでも羽化の瞬間は新しい生命の誕生って感じがしましてね、これを見るのが楽しみで飼育していたような気がします。ただ・・・そうは言ってもなかなか見れませんでしたけどね。もう直前だ。と思ったらじ~っと見つづけていたのですがそのときは羽化せずに・・・ちょっと目を離した隙にあっという間に羽化してて・・・。気配を感じてたのでしょうかねぇ~(笑)。


と言う事で、もちろんコムラサキも飼育いたしました。で、コムラサキには悪いのですが、ゴマダラチョウやオオムラサキの幼虫ってこんな感じで、もっと大きくて格好いいんだろうなぁ・・・ってね(笑)。で、コムラサキの幼虫を私が先に見つけた一件は・・・のちにわかったのですが、それなりに彼のプライドを傷つけたようでもありまして・・・・・「結構必死になって探した。」って・・・後に呑んで話した記憶がありますよ(爆)。