羽化したてのキアゲハ 2015.4.16
近所の友人が去年持ってきたキアゲハの幼虫が蛹になり、16日に羽化して、独り立ちしました。
「チョウ好きなんだから飼って」と、友人がプラスチックのフタ付きの容器に入れたキアゲハの幼虫数匹を持ち込んだのは、昨年9月。
我が家には鉢植えのユズがあり、それを餌に、アゲハが毎年産卵に訪れています。それを知って、キアゲハもと思ったのでしょう。
「うちには餌がないから無理だよ」と、断ると、どこかからキアゲハの餌になるセリ科の植物を求めて鉢ごと持ってくるので、もう断れませんでした。
キアゲハは、ミツバやセリ、ニンジンの葉っぱなどを食べているのでしょうけど、我が家にはそういうものがありません。庭にいたというくらいですから、友人宅の庭にはセリ科の植物でもあったのでしょう。
アゲハの幼虫は慣れましたけど、キアゲハの幼虫のあの太さと、シマシマ模様はまだ好きになれず、山で幼虫を見てもぱっと写真だけ撮ってさよならする程度で、私はじっくり幼虫を観察したこともないのです。
友人はチョウや虫の「触覚」が好きではなく、夜のバイト先のコンビニから電話をよこし「カミキリムシが店の前にいるから捕まえに来て」と、呼び出されたこともあるほどです。
チョウも可愛らしい触覚を持っていますが、それが嫌なんですって。
かわいいですよね。
そんな友人の頼みなので、仕方なく幼虫を預かりました。
玄関に置いた幼虫たちがすくすく育ち、やがて玄関の天井で蛹になりました。
幼虫が好きじゃないので、9月17日に太くなった幼虫の写真を一回撮った程度です。
その中の一つが16日に羽化し、「チョウになったよ」と言う、夫の声で慌てて玄関に行くと、ご覧のように羽を広げて玄関ドアに止まっているのです。
キアゲハはしばらくドアに止まっていましたが、やっぱ外に出してやらなくっちゃと、夫がドアを開けると、おぼつかない舞い方で玄関のコンクリートの上へ。
こんな時は手乗りもできます。夫の指先を確かめながら這い上がったキアゲハはブレザーの袖に。
夫は子供のように大喜びです。
いつまでもそのままではいられないので、夫がユズの枝先に移してやりました。
お腹側ですが、綺麗ですね。
最後にそこから舞ってスミレの脇を通り抜け、歩道を横切り、車道を東に向かって独り立ちしていきました。
見送る夫のちょっと寂しそうな顔。でも、ずっと世話をしてきたので、子供の巣立ちみたいに感無量だったでしょうね。
もしかしたら、またチョウ虫嫌いの友人宅の庭で吸蜜したり、メスは産卵するのかもしれませんね。
キアゲハ Papilio machaon hippocrates
アゲハチョウ科 アゲハチョウ亜科 アゲハチョウ族 アゲハチョウ属