【シロバナエンレイソウ:長野県北アルプス山麓松川村など】2015.7.9

シロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ):長野県北アルプス山麓松川村 2009年54日撮影

あまりぱっとした花ではありませんが、大きな三枚葉の真ん中に紫色の小さな花を咲かせるエンレイソウの仲間に、白いエンレイソウのシロバナエンレイソウTrillium tschonoskiiがあります。ミヤマエンレイソウとも言われており、北アルプス山麓のあちこちで見ることができます。

ただ、このシロバナエンレイソウは、わざわざ探しても出会える訳ではありませんが、山でのウォーキングでばったり出会うような、そんな花です。

シロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ):長野県北アルプス山麓山形村 200856日撮影

紫色の花を持つエンレイソウの方が出会う機会が断然多いのですが、たまたま一番上の花は、松川村で出会いました。

春、ピンクの花を咲かせるショウジョウバカマ、薄ピンクのイワウチワなどと同じ産地にひっそりと咲いていました。

手前でぼんやりしているピンクの花はショウジョウバカマですが、この写真ではシロバナエンレイソウにピントを合わせたために、ぼけてしまいました。

北アルプス山麓では、山形村でも出会っています。

このころは山形村に何度も足を運んでいたのですが、4月下旬から5月半ばにかけて何回も確認しています。

白い花って、清楚でいいですね。

実は2008年、大町市の知人から「白いエンレイソウがあるんだよ」と、お聞きしていたのが元で、各地で出会うたびに、シロバナエンレイソウの撮影をしていたのです。普段から紫色の花が咲くエンレイソウしか見たことがなかったために、その白花があると聞くと、私はついつい見たくなってしまうのです。

大町市のその知人宅とその周辺の山にもエンレイソウがあったのですが、普通の紫がかったよく見るエンレイソウでした。

その年に大町市のほか、安曇野市で出会ったのも、普通のエンレイソウでした。

翌年の2009年、スプリング・エフェメラルの花の写真を撮るついでに、エンレイソウの写真も撮っていました。

そんな折、大町市の知人の家の周辺からわずか数キロ離れた大町市内の林の中に、シロバナエンレイソウが咲いているのを見つけました。「なあんだ、大町にもあるじゃない」と、ちょっと嬉しくなりました。

松川村で見た、一番上の写真の前日でした。

そんなことから白い花、特に白花変種に興味を持ち、機会があるたびに撮影していきました。

出会ったのはこの「白花変種かな?」でまとめた花たちですが、ほとんど2010年に出会った花たちです。

白いアカツメクサ、白いイカリソウ、白いカタクリ、白いホタルブクロ、白いムシトリナデシコ、そしてまだアップしていませんが、白いシラン、白いコマクサに、山ではない場所で出会いました。

そのようにして出会った白い花たちが、白花変種かどうか、私は正確な知識は持ち合わせていません。

ただ、白花変種と出会っても、「シロバナ」という名前を頭につけて呼ばれていたり、ちゃんと分類がなされて学名がつけられれている花たちもあります。

学名は調べればわかるのですが、野外で出会った花たちが、実際の白花変種かどうか、その区別がつきません。

分類してちゃんと学名がついている花もいいのですが、わからない方がいい場合もあります。「夢」というのがその結論になりそうです。

「変種」とは、ブリタニカ国際大百科事典によれば「生物分類の基準で、種の下に置かれた階級。形質が基本種と少し異なる場合に変種とする」と、あります。

種の下の階級に「変種」があるということです。ということは、変種であっても学名が付けられて分類されるということになります。ただすべて分類されているわけではなさそうで、そういうところに面白さがありますね。

と言うわけで、以外とあちこちで変り種が見つかる可能性もあります。

また形質が変わるなら、色だけとは限りません。

変種に幅があるのなら、私たちが野外で変種を見つける機会も増えるわけで、そんな夢を持ちつつ、野外で花たちに出会えたら、きっとワクワクすること間違いなしですね。

変り種、これからも見つけましょう。いずれ学名が付けられる「変種」かも知れませんからね。

シロバナエンレイソウ(別名:ミヤマエンレイソウ) Trillium tschonoskii Maxim. (ユリ科 エンレイソウ属)


学名は、米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info( 2023年2月17日)引用