数年前、保全観察会の情報をいただいていましたが、その地味さと産地が遠いことで撮影のチャンスを逸していました。2013年5月にたまたま行く機会が訪れ、産地で観察しながら撮影できたのが、この希少種のチャマダラセセリです。

これはメスです。詳しい方が近くにおられたので、教えていただくことができました。

写真では分かりにくいのですが、逆光で見たときに一番きれいだなっと思ったチョウです。

というのは、翅の裏か表に光が当たったときに、光とは逆方向から見る翅が赤茶色を帯び、その鮮やかさが非常にきれいなんです。

５月の光ですので、まだそれほど太陽の高度があるわけでもないので、低い位置にカメラを抱えていると、翅を開いたり閉じたりする瞬間に、たまたまそういうきれいさが目に入ってくるのです。

縁毛とその近くの白い斑紋も素敵でしょ。ジーンズの太い糸みたいに見えませんか？野生的ですよね。

これはオスです。

素人目ではオスなのかメスなのかの区別はつきませんね。

チャマダラセセリは長野県では非常に少なく、地元の皆さんによって保全活動がなされています。

チャマダラセセリ Pyrgus maculatus maculatus

セセリチョウ科 チャマダラセセリ亜科 チャマダラセセリ属

環境省のレッドリスト（2012）では絶滅危惧ⅠB類（EN）、

長野県版レッドリスト（2015）では絶滅危惧ⅠA類（CR）に指定されています。

長野県希少野生動植物保護条例で指定希少野生動植物に指定されており、許可のない採集は禁止されています。